認定こども園木津さくらの森

POLICY

保育の基本方針

保育の基本方針~見守る保育~

 
「見守る保育」とは、見守っても大丈夫な子どもたちを育てる保育。
子どもたちの発達はそれぞれで、全ての子どもに同じことをすることが平等ではなく、それぞれの子どもたちの発達段階を捉えて保育をすることが質の高い保育です。何でも保育者が「やってあげる」のではなく、子どもにできることは信じて見守り、子どもが一人でできないことがあれば、まずは子ども同士が協力し合ってできるような環境を作り、その上で子どもだけでは難しいと感じた時には、最終的に保育者が援助するようにしています。なぜ、そのようなことをするのか?それは、「自分で考えて行動する力(主体性)」、「人と関わる力(対人知性)」といった力(非認知能力)がこれからの時代に必要とされるからです。
 

発表会に向けて子どもたちだけでハンドベルの練習をしている子どもたち
 
現在、「見守る保育」を実践している園は、全国に500園以上あり、最近では日本にとどまらず、中国や韓国、そして幼児教育が世界トップレベルと言われているシンガポールにも広まっています。

 

 

 

なぜ異年齢保育が必要なのか?
~当園のクラス分けの考え方~

 
日本では、保育園から大学まで、年齢別の横割りクラスが主流となっています。これは、学校等で教師が子どもに一斉に知識を伝達するのに適していたからで、それがそのまま保育園や幼稚園にも広がっていったからです。ちなみにこの年齢とは、4月1日時点の子どもの年齢であり、例えば同じ3歳児でも4月生まれと3月生まれの子どもの間には11ヶ月もの差がありますし、逆に4月生まれの4歳児と3月生まれの5歳児との間には1ヶ月以下の開きしかないのです。必ずしも5歳児が「できる子」で、4歳児が「できない子」ではありません。
異年齢保育とは、単に学年やクラスをまたいだグループをつくって活動する、ということではありません。「学び合い」「育ち合う」ためには、生年月日などにこだわらず、それぞれの発達に注目し、そのときの課題を解決するためにどのような集団が最も適しているかを考え、構成しています。

 

0.1歳児クラス

当園では、0・1歳児の全24か月を、発達の連続性を踏まえて、より発達が近い子どもを一緒にして保育しています。最近の研究では、赤ちゃんは他の赤ちゃんの遊んでいる様子を見たり、他の赤ちゃんと触れ合いながら学んでいると言われています。また、同じ1歳児のなかでも発達の早い子は遅い子の面倒を見ようとしますし、まだできない子は、動き回っている他の子どもをじっと見て、学んでいます。そこに、少し発達が違う子を一緒にするメリットがあるのです。まだ小さいからといって大人が全部してあげるのではなく、小さいうちからも他者とのかかわりが学べる環境、そして自我の芽生えを大切に受け止め、自分でできる喜びが感じられる環境にします。

 

2歳児クラス

当園では、2歳児だけは年齢別のクラスになっています。その理由は、2歳児は集団という意識が生まれ始める時期なので、あまり大きな集団で活動せずに仲間へ意識が向くような環境にするため、また、発達のスピードに個人差が大きいのが2歳までなので、しっかりと個々の発達を把握し、幼児クラスへの移行をスムーズに進めるためです。2歳児クラスでは、社会性の芽生えと共に、自我のコントロールと身辺自立ができることを目指して保育をします。

 

3~5歳児クラス

当園では、3・4・5歳児は、課題ごとに「子ども集団」を作って保育をします。基本的な生活は異年齢で過ごし、午前中の保育(課題保育)については、その内容によって集団を作ります。もちろん、年齢別クラスが適していれば年齢別に分かれて保育を行います(例:運動会や発表会の前など)。また、子どもたちの興味・関心に応じたグループを作る時もあります。保育室の環境は、「遊」「食」「寝」に分かれ、子どもたちが自発的に活動できるような空間があり、どの場においても子ども同士のコミュニケーションが盛んです。じっくり遊び込めるコーナーや仲間と遊びを展開していく場などがあります。そこには当然、子ども同士の工夫が必要であり、関わりながら自分たちで遊べる力やトラブルが起きても自分たちで解決できる力がついてくることを目標に、保育者は援助しています。将来、子どもたちが大人になり社会に出ると、そこは異年齢の世界です。年齢別の集団なんてほとんどありません。職場でトラブルがおこることもあるでしょう。そんな社会を生きぬいていける力を育てていきたいと考えています。


さくらの森の保育

私たちが大切にしている10のこと

「今日は何をつくろうかな?」
1条 子どもが自発的、意欲的に関われるような環境の構成と、そこにおける子どもの主体的な活動を大切にすること。【生活と遊び・ゾーン】

子どもが自分の好きな活動、もの、人を自発的に選ぶことができるように様々な遊びのゾーンを用意しています。どのゾーンで遊んでも自由ですが、次に使う人のために「活動で使ったものは責任を持って片づけること」をルールにしています。使ったものが出しっぱなしになっている場合は、子どもたち同士が注意しあいます。ただし、ブロックゾーンだけは活動をダイナミックに展開できるよう、また、次に遊びをつなげるために片付けなくてもよいルールを取り入れています。それができるのも、保育室が「遊」・「食」・「寝」に分かれているからです。子どもたちは友だちと協力しながら、大作に取りかかっています。

「どのゾーンで遊ぼうかな?」
2条 子ども一人一人の発達について理解し、一人一人の特性に応じ、発達の課題に配慮して保育すること。【一斉保育から選択制保育】

今まで、日本では一斉に何かを教える、一斉に何かをやらせる、生年月日別にクラスを分けるということを基本的にしてきました。しかし、学校教育を含めて、このような形態で保育、学習をしている国は世界の中でも数か国になってしまっています。現代では、子ども一人ひとりの発達や興味・関心を重視する教育・保育は世界の主流であり、ますます重要になってきています。子どもは、どんなものに自ら働きかけようとするのか・・・それはその子どもの発達に合ったものです。当園の3・4・5歳児保育室には10以上の遊びのコーナー(ゾーン)があり、その中から子ども自らが遊びたいゾーンを選択します。写真は、子どもがホワイトボード(ゾーン表)を見ながら、どこで遊ぶか考えているところです。こういった環境から、「自分で考え、判断し、行動する力」が育ちます。

地域の人も、駅員さんも、保育園にかかわるみんなが先生!
3条 子どもは、多様な大人、子ども同士の体験から、社会を学んでいくこと。【シティズンシップ】

子どもとかかわる「人」というのは、子どもにとってとても大事な環境のひとつです。子どもは「人」とのかかわりのなかで、言葉やコミュニケーションの方法、そして表現することを学び、また規範やルールといったものを学んで、次第に社会性を身につけていきます。子どもを取り巻く「人」環境は、できるだけバラエティに富んでいること。そして子どもが自分の好みや必要に応じて、その環境=人を選択できる、ということが最も大切です。写真は、年長児がお別れ遠足に向けて、どうやったら目的地に行けるかを最寄り駅の駅員さんに聞いている様子です。当園のお別れ遠足は、行きたい場所を子どもたちが決め、何をするか、どうやって行くかを子どもたちが企画します。

いつでも戻れる場所~心の安全基地~
4条 保育者は、子どもが自発的、主体的、多様な人との関係の中で活動するために、いつでも駆け込める愛着(見守る)という存在でいること。

最近の研究では、大人は子どもが求めていないときは後ろでどんと構えておくことが大切だと言われています。ただし、子どもが必要としているときは積極的に関わることが必要だとも言われています。求めていないときは見守り、求めてきたら関わるということを全職員が意識して保育を行っています。子どもが大人に求めてくる時は、必ずしも言葉で伝えてくるとは限りません。あえて悪いことをしてきたり、ふてくされたりする時は子どもの何らかのサインです。大人が必要だというサインを読み取ったら、積極的に関わるようにしています。

見ることは、学ぶこと
5条 子ども同士の中で刺激しあうということから、様々な年齢とのかかわりを保障すること。 (見て、真似して、関わって、教わって、教えて、一緒にやって) 【異年齢保育】

異年齢保育とは、単に学年やクラスをまたいだグループをつくって活動する、ということではありません。「学び合い」「育ち合う」ためには、生年月日などにこだわらず、それぞれの発達に注目し、そのときの課題を解決するのに、どのような集団が最も適しているのかを考え、構成する必要があります。写真は、園庭で2歳児クラスの子どもが4・5歳児の活動の様子をマットに寝ころびながら見ている様子です。

色んな楽器を弾ける先生がいたら楽しい
6条 子どもは、職員のチームによって、多様な社会とのかかわりを学習すること。【チーム保育】

保育園は最初からクラスに複数の担任がいる複数担任制です。しかし、4歳児クラス以上では、国の配置基準が子ども30人に保育士1人になっているため、一人担任になってしまいます。その場合、クラスの子ども達の中の一人にトラブルが発生した場合に、残りの子ども達の活動は止まることになります。そこで当園では3~5歳のクラスにも他と同様にチーム保育を取り入れています。複数担当制には、以下のような利点があります。
◎保育の選択制など、子どもの個性を尊重した多様な活動が設定できること
◎先生にも個性があり、子どもとの関係も豊かになること
◎担任間のコミュニケーションが進み、子ども理解や保育が深まる
写真は、ウクレレを弾いている男性保育士を子どもたちが興味深そうに見ている様子です。保育士=ピアノと思われがちですが、色んな楽器を弾ける先生がいたら子どもも楽しいですね。

「ぼくだって、鉄琴がひきたい!」
7条 子どもを、男女、しょうがい、年齢による刷り込みを持たないこと。【インクルージョン保育】

私たちは、普段の保育から子どもを男女、しょうがい、年齢による刷り込みを持たない保育を展開しています。(インクルージョン保育)インクルージョン保育とは、子どもたちはみんな一緒という考え方を基本にするものです。発達や年齢、しょうがいを個人差として捉え、それぞれに必要な支援をしていこうと考えています。
写真は、合奏で使う楽器のオーディションの様子です。当園の生活発表会では、3~5歳児の異年齢で合奏をするのですが、楽器はオーディションで決めます。難しい楽器を使うにはそれだけの練習が必要です。「5歳児=難しい楽器、3歳児=簡単な楽器」ではなく、オーディションまでの子どもたちの取り組む様子を見て、誰が適任かを決めます。

子どもたちの声にも耳を傾けて…
8条 子どもが自立をしていくこと、自己の意思を表明しようとすることを保育者は妨げてはならない。【やってあげる保育から見守る保育へ】

3・4・5歳児保育室には様々な遊びのゾーンがありますが、早朝保育と夕方の時間は、どのゾーンを開けてどのゾーンを閉めるのかを保育者が一方的に決めるのではなく、保育者と子どもたちが相談して決めます。そして、安全管理等の理由で、子どもたちの提案通りにできない場合は、きちんと理由も子どもたちに説明するようにしています。

「先生だって、お腹がすくんだよ。」
9条 保育者は、子どもに奉仕をしたり、世話をする人ではなく、一人の人格を持った人として子どもと共に生活すること。【保育者の人権】

「子ども主体」だからといって、「保育者は客体」なのかと言うとそれは違います。保育者も一人の人格をもった人間であり、保育園で共に過ごす主体的な存在です。子どもの好奇心や探究心と付き合うためには、まず保育者が好奇心や探求心を持ち、子どもたちと感動を共有することが大切です。
当園では、「働きやすい職場作り」を目標に、子どもたち同様、保育者も幸せであってもらいたいと考えています。

言葉にできない思い、願いをくみ取る
10条 「子どもの権利条約」に則った保育を展開しなければならない。

【子どもの権利 4つの柱】 子どもの権利条約は、大きくわけて次の4 つの権利を守るように定めています。そして、子どもにとって一番良いことを実現することを目指しています。
1.生きる権利・・・防げる病気などで命をうばわれないこと。病気やけがをしたら治療を受けられることなど。
2.育つ権利・・・教育を受け、休んだり遊んだりできること。考えや信じることの自由が守られ、自分らしく育つことができることなど。
3.守られる権利・・・あらゆる種類の虐待や搾取等から守られること。障害のある子どもや少数民族の子ども等は特に守られることなど。
4.参加する権利・・・自由に意見をあらわしたり、集まってグループをつくったり、自由な活動をおこなったりできることなど。